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3Dマシンビジョンによるウェハ外観検査

ウェハ外観検査とは、半導体製造工程でウェハ表面の傷、異物、欠け、パターン欠損などを確認する検査です。ウェハ上には多数のチップが形成されるため、表面欠陥を見逃すと、後工程での不良や手戻りにつながる可能性があります。

そのためウェハ外観検査は、単なる見た目の確認ではなく、品質を安定させ、歩留まり低下を防ぐための重要な工程です。特に半導体の微細化やパターンの複雑化が進むなかで、従来の2Dカメラ検査だけでは検出が難しい欠陥も増えています。

ウェハ外観検査で検出する主な欠陥

ウェハ外観検査で確認する欠陥は、工程や製品によって異なります。代表的なものには、傷、異物、汚れ、欠け、クラック、チッピング、パターン欠損などがあります。

欠陥の種類 検査時のポイント
傷・異物・汚れ 表面の濃淡差や形状差として検出する。透明異物は2D画像で見えにくい場合がある。
欠け・クラック ウェハ端部や加工後に発生しやすく、後工程での破損リスクにつながる。
パターン欠損 正常パターンとの差を判定する必要があり、パターンが複雑なほど検査が難しくなる。
微細な凹凸 濃淡差ではなく高さ方向の違いとして捉える必要がある。

特に注意したいのは、2D画像ではコントラストが出にくい欠陥です。透明異物や微細な凹凸、鏡面上の欠陥は、照明条件によって見え方が変わりやすく、安定した検出が難しくなることがあります。

ウェハ外観検査の主な方式

ウェハ外観検査には、2Dカメラ、3Dセンサー、SEM、高倍率カメラ、AI画像処理などの方式があります。どの方式を選ぶべきかは、検出したい欠陥の種類、必要な精度、タクトタイム、装置構成によって変わります。

2Dカメラによる外観検査

2Dカメラ検査は、ウェハ表面を画像として撮影し、濃淡、色、形状、エッジなどの情報から欠陥を検出する方式です。傷や汚れ、欠けなど、画像上で差が出やすい欠陥の検出に向いています。

一方で、2Dカメラは照明条件の影響を受けやすい方式です。ウェハ表面の反射、透明体、微細な凹凸、複雑なパターンなどがある場合、欠陥と正常部の見分けが難しくなることがあります。

3Dセンサーによる高さ・形状検査

3Dセンサーは、ウェハ表面の高さや形状を取得し、凹凸や段差の情報をもとに欠陥を検出する方式です。2D画像では判別しにくい微細な凹凸、透明異物、表面のうねりなどを検出したい場合に有効です。

高さ情報を使うことで、欠陥を濃淡差ではなく形状差として捉えられる点が大きなメリットです。

AIを活用した欠陥検出

AIを活用した外観検査では、画像データをもとに欠陥の有無や種類を判定します。複雑なパターンや欠陥分類に活用できる可能性がありますが、学習データの質や撮像条件の安定性が重要です。

2Dカメラによるウェハ外観検査の課題

2Dカメラは多くの外観検査で使われていますが、ウェハ検査では限界が出やすい場面があります。特に、ウェハの薄型化、パターンの複雑化、透明異物の検出、微細な凹凸の判定では注意が必要です。

  • 照明の角度や強さによって欠陥の見え方が変わる
  • ウェハのうねりにより、同じ照明条件でも画像が均一にならない
  • 複雑なパターンでは、検査領域の抽出やエッジ検出が不安定になりやすい
  • 複数の照明や検査ステージが必要になると、装置が大型化しやすい

つまり、2Dカメラ検査では、欠陥そのものの見え方が照明条件に左右されやすいことが課題になります。検出対象が増えるほど照明条件や画像処理の調整も複雑になり、保守や運用の負担が大きくなる場合があります。

3Dセンサーを活用するメリット

2Dカメラで検出が難しい欠陥に対して、3Dセンサーは有効な選択肢になります。3Dセンサーはウェハ表面の高さ情報を取得できるため、画像の濃淡ではなく、表面形状の変化として欠陥を検出できます。

微細な凹凸を高さ情報で検出できる

たとえば、ウェハ表面に微細な凸形状の異物がある場合、2D画像では背景とのコントラストが弱く、検出が難しいことがあります。一方、3D検査では基準面からの高さ差として捉えられるため、欠陥を形状として検出しやすくなります。

検査アルゴリズムをシンプルにしやすい

3Dセンサーで取得した高さ画像では、凸形状の異物を「基準面から一定以上高い領域」として抽出できます。2D画像のように複数のフィルターや照明条件を組み合わせる必要が減れば、画像処理の開発工数や調整工数の削減にもつながります。

既存の2D検査を補完できる

3Dセンサーは、既存の2D検査装置を置き換えるだけでなく、補完する形でも活用できます。2Dで検出しやすい傷や汚れは従来通り検査し、2Dで安定しにくい透明異物や微細凹凸を3Dで検査する、といった使い分けが可能です。

ウェハ外観検査装置・センサーを選ぶポイント

ウェハ外観検査装置を選ぶ際は、カメラの解像度や検査精度だけで判断するのではなく、検出対象や運用条件まで含めて確認することが重要です。

確認項目 見るべきポイント
欠陥の種類 傷、異物、欠け、凹凸、透明異物など、何を検出したいかを明確にする。
表面状態 鏡面、透明体、金属光沢、うねり、パターンの複雑さを確認する。
タクトタイム 量産ラインで必要な検査時間内に処理できるかを確認する。
組み込み性 既存装置への追加、設置スペース、画像処理ソフトとの連携を確認する。

特に量産工程では、どれだけ高精度に検査できても、検査時間が長すぎるとラインに組み込めません。検査精度、タクトタイム、保守性のバランスを見ながら、適した方式を選ぶ必要があります。

まとめ

ウェハ外観検査は、傷、異物、欠け、パターン欠損、微細な凹凸などを検出し、半導体製造の品質や歩留まりを支える重要な工程です。

2Dカメラ検査は幅広く活用できますが、照明条件への依存、ウェハのうねり、複雑なパターン、透明異物、微細凹凸などがある場合には、安定検出が難しくなることがあります。

そのような課題に対しては、3Dセンサーで高さ情報を取得し、欠陥を形状差として捉える方法が有効です。検査装置を選ぶ際は、検出対象、表面状態、タクトタイム、既存装置への組み込み可否を整理したうえで、2D検査と3D検査を適切に使い分けることが重要です。

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