3Dマシンビジョンを使用する際、偏光板・偏光フィルターと呼ばれるものを使うことがあります。ここでは、偏光とは何か、偏光板・偏光フィルターを活用することによってどういったメリットがあるかなどを紹介します。
偏光とは
偏光とは、光が持っている性質のことです。通常の光は正面から見た際に様々な方向に振動しているのですが、このうち特定の方向に振動する光だけで構成されている横波の光を指します。
正面から見た時に一直線になっている「直線偏光」、くるくると円を描くように進んで円状になっている「円偏光」、だ円になっている「だ円偏光」などがあります。
目的の偏光を作り出すために使われるのが、偏光板や偏光フィルターといったものです。偏光板や偏光フィルターには、光が持つ波を整え、特定の方向以外に振動する光を排除してコントロールする役割があります。
3Dマシンビジョンで偏光板・偏光フィルターを活用するメリット
3Dマシンビジョンで偏光板・偏光フィルターを活用することによってどのようなメリットがあるのでしょうか。代表的なメリットは以下の通りです。
反射が抑えられる
カメラで対象物を映した際、強い光が反射している部分のみが白く映ってしまう現象が起こります。
例えば、ビニール袋に入っているワークを撮影すると、ビニール袋に光が反射して中に入っている対象物がうまく映らなくなってしまうことが多いです。金属についても同様で、光を反射しやすい部分がうまく映らなくなります。
こういった場合、偏光板・偏光フィルターを通すことにより、反射を抑えて撮影できるようになります。
コントラストが向上する
偏光フィルターを用いると、表面の反射が除去されることから、本来の色が再現できるようになります。これによりコントラストを向上させることが可能です。よりくっきりと対象物を撮影できるようになるのが大きなメリットです。
3Dマシンビジョンのカメラで正確に対象物が判断できるようになることから、不具合品を見つけやすくなり、見逃しを防げるようになるメリットがあります。
3Dマシンビジョンにおける偏光板・偏光フィルターの使い方
実際に3Dマシンビジョンにおいて偏光板・偏光フィルターを使う際は、以下のポイントがあります。
偏光板を適切に配置する
光源の映り込みを防ぐためには、適切に偏光板を設置しなければなりません。グレアやてかりを抑えるため、偏光板は光源とレンズの各々に偏光軸を90°に直交させる形で配置しましょう。
フィルターは光源とレンズに設置する
3Dマシンビジョンで偏光フィルターを設置する際は、光源とレンズの両方に装着しましょう。両方に装着しないと高いグレアが現れてしまう恐れがあります。
3Dマシンビジョンの基礎知識もチェック
偏光板・偏光フィルターを取り入れることで、さらに3Dマシンビジョンの精度を高めることが可能です。ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
以下のページでは他にも3Dマシンビジョンにまつわる基礎情報を紹介しているので、ぜひご覧ください。