ここでは、3Dセンサーの計測方法の一つである「ステレオビジョン」について、原理・仕組み、導入のメリットなどをご紹介します。
ステレオビジョンとは
ステレオビジョンは、2台または3台以上のカメラを利用する3次元計測手法として広く知られています。複数のカメラで対象物の同じ位置を捉え、三角法によりその位置の高さを計測します。電波やレーザー光の反射によって対象物を捉えるのではなく、画像を立体的に捉えるのが一番の特徴です。人がものを見るときと同じ原理を採用しており、より立体的に物体を認識することが可能です。
ステレオビジョンを導入する
メリット
ステレオビジョンは、優れた空間認識が特徴です。見え方の違いである視差を利用しており、どんな物体でも距離の検出が可能です。視野角も広く、高速画像処理技術を使えば、短時間で処理することができます。
リアルタイムで安定した距離測定が可能な点も大きな強み。撮影距離・奥行制度ともに安定して測定できる上、屋外での撮影も可能なため、自動運転をアシストする車載カメラとしても用いられています。
一方で、2つのカメラが撮影した画像をマッチングさせ、画像のズレを計測するためのカメラ位置の設定など、調整や初期設定に時間や手間がかかるというデメリットもあります。
ステレオビジョンがおすすめの
製造現場
ステレオビジョンは、ピッキングの自動化などに活用されています。立体的な画像認識により、ばら積みされた物体を正確に認識し、ロボットへ伝達。ハンドリングも複雑な制御を正確に行えます。また、ステレオビジョンを使った道路状況のモニタリングは、精度の高い計測を行えます。ひび割れやわだちの深さ、路面の平坦性といった評価も、一回の走行で算出することが可能です。

- 測定範囲が広く、様々なワークに対応
- コントローラー不要、本体のみで測定可能
- 温度安定性に優れた頑丈な筐体

- 3200point/プロファイルの微細測定が可能
- 従来製品比3倍の面積を持つ大口径受光レンズ
- 全方向位置補正機能を搭載

- 納品日より5年間の製品保証
- ソフトウェアの導入トレーニングが可能
- リモートor出張メンテナンスに対応
「3Dマシンビジョン」と検索して上位表示されるメーカーや販売代理店をピックアップ。その22社の公式HPの情報から「計測手法が最も豊富だったLINX」
「業界ごとの実績が最も豊富だったキーエンス」「唯一24時間のヘルプデスクを提供しているSICK」をそれぞれ選出しています。(情報は2021年11月19日時点)
ステレオビジョンを用いた
3Dマシンビジョン・
3Dセンサーの製品例
リアルタイム ステレオ 3Dカメラ

https://www.klv.co.jp/product/3d/dc_vision.html
独自開発のSoCを搭載した、小型ボディのステレオ方式3Dカメラです。2つのカメラを搭載しており、その視差から対象物との距離を計算。ハイビジョン画質の3次元情報を、Ethernetを通じてリアルタイムに取得できるため、マシンビジョンなどでの使用におすすめです。コンパクトサイズでありながら、平面解像度はフルハイビジョンの1280×720、深さ解像度128pixel、フレームレート25fpsの撮影が可能です。
3D-Eye30

https://www.mekasys.jp/series/detail/id/OPT_0055
ロボットピッキングにピッタリな、軽量かつコンパクトな3Dビジョンシステムです。ステレオカメラにより多点の高さ情報を取得できるため、背景の色に左右されず、ワークの過不足や位置のズレを検査することができます。また、カメラを複数台組み合わせる「マルチカメラ接続」を行うことで、死角を減らすことも可能です。
Chromasens 3DPIXA

https://linx.jp/product/chromasens/3dpixa/
高さ画像とカラー画像をワンスキャンで同時に取得できる、ステレオビジョン方式のカラーラインスキャンカメラです。高分解能のラインセンサにより、目では確認できないようなマイクロテクスチャも捉え、高精度での計測を高速に実現。BGAやPCBなど小型化する電子デバイスに対して、サブミクロン精度でのインライン計測というソリューションを提供してくれます。